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【内藤陽介の世界を読む】 米朝会談の本当の結果(失敗ではない?)と「主体(チェチェ)思想」が生まれた背景

YouTube 【チャンネルくらら】【3月7日配信】内藤陽介の世界を読む
「米朝会談決裂は失敗ではない?~トランプ政権・金王朝の真の狙いは?!」より

※ 内藤陽介さんの米朝会談(2019年2月28日、ベトナムの首都ハノイ)についての
  解説は、北朝鮮側からの視点から見ると良くわかるマスコミ報道では得られない貴重な内容です。
  また主体(チェチェ)思想が生まれた歴史的背景についても触れられていて素晴らしい内容です。
  いつも「チャンネルくらら」さんは、他とは違う内容を提供されているので、有難い。
  直ぐに忘れるので、文字検索出来るように動画内のテロップとコメントを文字にしました。

(内藤陽介)
米朝会談について、私の雑感という形で、必ずしも取り留めがない話になっちゃうと
思うんですけれど、  (中略)
北朝鮮、本家はどんな感じだったのかを踏まえて話をしたい。

で、ハノイでの米朝首脳会談なんですけれども、まあ一般の報道の仕方だと、
決裂して北朝鮮は失敗してその失意のジョンウン君(金正恩)は列車でトボトボ帰った
という言い方なんだけれども、果たしてそうなのかというところから考えたいと思う。

つまり、北朝鮮にとってあの会談。
私のこれは結論から言っちゃうと、あの会談というは大成功だとは必ずしも言えないと
いうのは、その通りだと思うんですが、
ただ、 会談をやる というその最初の目的を達成したという意味では、実は必ずしも
 失敗とは言えない。 

初期の(最低限の)目的は達成した

(かしわもち)
ああーなるほど!目標は会談をやるだった。

(内藤陽介)
最初の目標をクリアしたという意味では、失敗ではないんですよ。
で、どういう事かというと例えば、
27、28(日)が会談ですけれど、その前の24日の時点で、朝鮮中央通信とか
北朝鮮の国営メディアが、金正恩が27日から28日までベトナムのハノイで
行われる2回目の米朝首脳会談のために23日午後、専用列車で平壌を出発しました
って報道をやっている。
出発したところから北朝鮮の中央メディアという国営メディアっのは、これを報道
している訳です。

北朝鮮の労働新聞・朝鮮中央通信は27日、
「〔金正恩(キム・ジョンウン)〕最高指導者同志は2月28日から28日まで
米大統領ドナルド・トランプと対面し、歴史的な第2回朝米首脳会談を行う
ことになり、3月1日から2日までベトナム社会主義共和国を公式観善訪問
されることになる」と報じた。

(内藤陽介)
だから北朝鮮の国民全員行ったことを知っている。

で、これはかなり異例というか重要なポイントでというのはどういうことか
というとですね、あの北朝鮮という国は元々、何をやっても失敗しているのを
認めない人たちだと言ってしまえばそれなんですが、
成功が確認されない限りですね報道しないというのが、基本的な姿勢なんですよ。

成功が確認されるまで報道しない

(内藤陽介)
だからわかりやすい例で言うと、この前の平昌(オリンピック)の場合は
ちょっと例外だと思うんですが、

例えば、オリンピックなんかやるとですね開会式を放送しないでメダル取ってから、
初めて何日から開かれていたオリンピックで我が国の選手が銅メダルを取りました
とかという報道の仕方をするんです。

だから表に出てベトナムに行くよという報道をした時点で、実は 会談をすること事態 
非常に 大きな目的 だから。
それをクリアしたという時点で、彼らは一番最低限の目的は達成したと見るべき
なんです。

だからそこでその後はプラスでおまけでもらえるものをもらえれば、なお、よろしい
だけれども、それがないからといって、失敗に終わったとは言えない訳です。

(かしわもち)
もし会談の成果をどうのこうのを気にした場合はあとから取り消し内容のこういう
報道をするハズが無い。

(内藤陽介)
しないです。絶対にしないです。
少なくとも今までの北朝鮮のそのメディアの使い方というのは、絶対にありえない
やり方です。

(かしわもち)
確かにそうです。

(内藤陽介)
成果は、プラスアルファのおまけである。

ここで、実は今いろんな報道だとかいろんな方が言っているところを見ると感覚的に
ちょっと忘れていませんかということなんですが。

実は今から 一年前 というのは、まだ 平昌オリンピック をやっていたんですよ。

(かしわもち)
ハイ。

(内藤陽介)
その平昌オリンピックの時期っていうのは、米朝会談どころか南北で会談を
するのかとかですよ。
へたしたら、 オリンピックの後に空爆 があるかもしれないとまで言っていた人が
大勢いた訳でしょ。

米副大統領、五輪歓迎行事に遅刻 北朝鮮避ける意図を否定
                   2018.02.10 CNNより

(内藤陽介)
そこからまだ1年経ってないんですよ。

(かしわもち)
ハイ。

(内藤陽介)
たった1年なんですよ。
だからそんな急激に進展するというふうなことってもちろんものごと何でも
ドラスティックに動くこともあるんだけれど、そこまで彼らも期待していない。

で、むしろ去年6月に 米朝首脳会談が行われた というのが、
実はこれが四半世紀に及ぶ25年から30年に近い北朝鮮の悲願だったと。

四半世紀に及ぶ北朝鮮の悲願

(内藤陽介)
言ってみれば、初代の金日成(キム・イルソン)が亡くなって、2代目の
正日(ジョンイル)というのは、アメリカとの会談をするためのそのパイプを
作るためにずーっと正日政権がやって、それが達せられないまま彼が亡くなって、
息子の正恩(ジョンウン)がようやく達成したということが去年の6月だった。

(かしわもち)
1対1でやりたかった。

(内藤陽介)
 1対1でやる ということがね。

それが結局たまたま単発ではなくて、 定期的にやれる んだということを示すのが、
今回の会談なんで。

米国とのパイプの確認が重要

(内藤陽介)
だからやったこと自体が(重要)。また北朝鮮にとってみれば会談をして
しかも北朝鮮が中国に行く時は、距離も問題もあるけれど習近平と会う時は
原則として金正恩が北京まで挨拶に行く訳です。

ところが今回は金正恩がワシントンに行かないでですよ、トランプをハノイまで
呼びつけているんです。見ようによっては。
だから、その時点で外交的なポイントだと少なくとも北朝鮮の金正恩は
考えている。

結局アメリカを何で引きずり込むかというのは、実は金日成の時代に
中ソ当距離外交というのがあった。
ところが、ソ連が1991年崩壊しちゃって当距離外交が出来なくなったので、
そこでその ソ連に替わる中国のカウンターとしてアメリカ をなんとか
引きずり込まなければと。

中ソ等距離外交 ⇒ 米中等距離外交

(内藤陽介)
中ソ等距離というのが、実は 主体(チェチェ)思想 というそこから始まっている。

主体思想

(内藤陽介)
だから結局、彼は何ももらえなくて終わったと言うんですけど、逆に言うと、
下手すると交渉事ですからアメリカとやって本当に決裂して関係が破綻したら
追加制裁だとか他の最悪のシナリオだって当然考えられる。

(かしわもち)
そうですよね。

(内藤陽介)
その可能性もあるんだけれど、現状で彼は何ももらえなかったかもしれない
けれども、それより悪くなるポイントは何も無い訳です。

(かしわもち)
もっと言えば、第3回目の会談をやっても良いみたいな。

(内藤陽介)
そう。次につながったでしょ。
ということは、結局かつてのソ連ほど太くはなくても、ここで1回の単発
じゃなくて、レギュラーになっていったという事です。

(かしわもち)
ハイ。

(内藤陽介)
少なくとも準レギュラーみたいな形で、チャンネルができたという事、
これが大事なんです。

ここで、主体(チェチェ)思想という事で主に外交という風な観点から考えたい
というよりも元々、主体(チェチェ)思想という外交の観点から出てきた用語
なんですよ。国内用語では無いんです。

で、朝鮮語の単語で、朝鮮読みをすると漢字で読めと怒られる方がおられるんですが
一応同じ意味ならば漢字で日本語で読んでも良いんですが、朝鮮語で「主体」と書く
「チェチェ」というのは、日本語の「主体」とは全く意味が違います。

(かしわもち)
ハイ。

(内藤陽介)
根本的に違います。日本語の「主体」に対して、「客体」が対概念ですけれど、
朝鮮語の「主体、チェチェ」の反対は、 사대(sadae)=「事大」なんですよ。

主体思想 ⇄ 事大

(内藤陽介)
 自立している のが、「主体、チェチェ」であって、 大国におもねる のが、
사대(sadae)でなんです。

チェチェ思想が生まれてきた金日成の時代っていうのは、韓国の大統領は、
朴正煕(パク・チョンヒ)ですよね。
これもこの番組で何度も申し上げている通り朴正煕という人が漢江の奇跡を
やって韓国を曲がりなりにも先進国の末端まで引っ張り上げた。
というような事が出来たのは、あれはアメリカなり日本なりに徹底的に大国と
強調して、사대(sadae)を徹底的に追求した結果、先進国になった。

朴正煕の韓国は、事大を徹底したことで、漢江の奇跡を達成

(内藤陽介)
逆に言うと、朴正煕はアメリカ追従、日本追従とかの言い方をして批判する時には
チェチェという自立が出てくる。

で、北朝鮮の当局の言い方というのは、 (略)

北朝鮮当局によれば、
主体(チェチェ)思想のルーツは、1930年に金日成が 行った「朝鮮革命の進路」
(ソ連や中国の経験を機械的に朝鮮の抗日革命に適用しようとすることを時代
 主義・教条主義として批判し、朝鮮の問題は朝鮮人みずから朝鮮の実情に合わ
 せて自主的に解決すべき
と主張したとされる)

(内藤陽介)
これが、主体(チェチェ)思想のルーツだと北朝鮮当局は主張している訳です。

実際、これが本当に主体(チェチェ)思想のルーツだというのは、こじつけでは
ありますけれど、  (略)

その過程で例えばですね彼が大国、朝鮮から見ての大国、中国だとかソ連に振り回された
ということがある。
   (略)

コミンテルンで非常に重要な方針の一つが、

一国一党体制

(内藤陽介)
    (略)
当時の朝鮮は、国が無いですから、 (略)
最終的に朝鮮の共産主義者というのは、中国共産党の指導下に入るんです。

中国共産党の下に

(内藤陽介)
金日成という人は、抗日闘争のゲリラ戦をやっていた。あの人は中国共産党の末端の
部隊として儀材兵を  (略)

ソ連に逃れ、朝鮮人部隊で抗日パルチザン活動 1930年代

(内藤陽介)
中国に振り回されたり、ソ連に振り回されたりしたことを若い頃から体験している事は
事実なんです。
  (略)

儀材兵の前を通る金日成、アナスタス・ミコヤン、アンドレイ・グロムイコ
ヤロスラフスキー駅、モスクワ。1949年3月

(内藤陽介)
ソ連が傀儡国家の北朝鮮(朝鮮人民民主共和国)を作る時に彼を送り込んだという
のがあったので、初期の頃はソ連のエージェントという風な形で忠実なソ連の部下
として北朝鮮の国家建設をやった訳です。

ところで、ソ連にお伺いを立てて朝鮮戦争をやったけれど、結局 負けた訳ですね。
要するに負けたというより朝鮮戦争の目的というのは、南朝鮮(韓国)を開放して
赤化統制するんだと言って始めたけれど、結局、出来なかったという事は負けた
訳じゃないですか。

事前にソ連にお伺いを立てて、スターリンからゴーサインをもらって戦争したにも
関わらず、アメリカと国連軍が韓国に入ってきて鴨緑江のところに追い詰められて
滅亡する寸前までいった。
そこで助けてくれたのが、中国だった。

(かしわもち)
そうですね。毛沢東が自分の息子を送り込んでまで。

(内藤陽介)
そーそー。だけれど、ソ連は見捨てたわけですよ。

ソ連に見捨てられた

(内藤陽介)
その時、スターリンは何と言ったかというと、しょうがないな。金日成には、
満洲とか沿海州辺りに亡命政府でも作らせようかという言い方をした。

彼の理解でソ連に裏切られたと。大国というのは、結局最後はあてにならない
というのが、その経験である。

1953年に戦争が終わって、その後

北朝鮮建国後、金日成が「主体」という単語を公式にもちいたのは 1955年12月の
「思想事業で教条主義と形式主義を退治して主体を確立することについて」
との演説が最初

  (略)
ただ、朝鮮戦争が休戦した後、経済復興をめぐって金日成は金日成なりの復興プランが
ある訳です。
  (略)

社会主義世界がまだ一枚岩だということになっていますから、国際分業という形で
お前は何をやれという指令がモスクワからくる訳です。

  (略)
金日成は、重工業路線をやりたかった。ところが、国際分業でおまえらは重工業なんか
出来ないじゃないか。だから、軽工業、繊維だとかそういった製品をやりなさいというのは、
ソ連、中国の息のかかった延安派 (略)

国際分業

 金日成派
「重工業やりたい」

 ソ連+延安派
「軽工業をやれ」

それに対して金日成は、重工業路線をやりたいんだ。俺たちも工場を造って製鉄を
やりたいんだと。

その権力闘争、血みどろの闘争が始まって結果論でいうと1956年8月に宗派事件という
分派運動があって、金日成の留守中にクーデターの未遂事件が起こるんです。

8月宗派事件 1956年6月から8月にかけて起こった政変(クーデター)

結果的に、金日成が未然に防いで、クーデターは失敗に終わる。
ソ連派と延安派のボスが逮捕されるんですが、ここにソ連と中国が介入してきて
釈放させちゃうんです。

金日成の権限は、この時点ではそんなに確立していない。
どちらにしても自分の国というものを自分の思うように建設出来ないというストレスが
あって、だから、ソ連でも中国でも朝鮮の自主性という事を言い出す。

ソ連でも中国でもない朝鮮の「主体」の確立

さらに1950年代後半になってくると中ソ対立が激しくなるから中ソどちらに
くっついてもこれは軋轢が生まれる。
  (略)

北朝鮮というのは、ソ連とも中国とも接しているんですよ。

(かしわもち)
地理的にど真ん中ですよね。

(内藤陽介)
だからどちらかについて、対立するどちらかに肩入れしちゃうと別の側から
本当に物理的に攻撃される可能性が非常に高いわけです。

  (略)
北朝鮮は本当に脅威の中で生活していた。
だから、そこで 両方を天びんにかける ということをやらざるを得なかった。

そういった中で

1665年4月、バンドン会議10周年記念会議に参加した金日成
インドネシアのアリ・アルハム社会学院で講演

「思想における主体、政治における自主、経済における自立、
 国防における自衛 - これが、わが党が堅持している立場」

これが、主体(チェチェ)思想と言われているもののルーツである。
あるいは、初めて彼が公の場で、誰もが見られる場でパブリックに
主体(チェチェ)という概念を持ち出したというように言われてるんです。

「主体思想」の初めての公言

その後、1966年になると

1966年10月、金日成は朝鮮労働党代表者会議において
ソ連の修正主義中国の教条主義を公式に批判

翌年になってくると、朝鮮民主主義人民共和国政府綱領が作られる。

1967年12月「朝鮮民主主義人民共和国政府綱領」
第一項で「党の主体思想は革命と建設を遂行するためのもっとも正確なマルクス・
レーニン主義的指導思想であり、共和国政府の全ての政策と活動の確固不動の
指針」であると規定され、(マルクス・レーニン主義的との形容詞がつけられて
いるとはいえ)金日成の唱える主体思想が北朝鮮国家のイデオロギーであることが
公式に宣言

ここで、初めて主体(チェチェ)思想はという単語が出てくるのは、
ここからです。
マルクス・レーニン主義的との形容詞がついていますけれど、一応、
主体(チェチェ)これが、国家のイデオロギーだよとここでようやく
出てくる。

ただ、この段階では、主体(チェチェ)というのは、あくまでも何なのかと
 具体的には無い 訳です。

(かしわもち)
わりかしモワーッと。

(内藤陽介)
モワーッとしているいるし、大国におもねらないで自立するという事をいって
いるんだけれど、具体的に何なのという何もでていないし、ましてや個人の話と
いうのは出てない。
あくまでも国際世界の中で朝鮮人民民主共和国、北朝鮮国家がどういう生きるか
という指針でしかない訳です。

これが、1970年代以降いわゆる現在の カルト的な色彩 がドンドンと加わってくる。

何でそうなるかと言うと、これは、一つは北朝鮮の中の権力闘争があって
1960年代後半というのが北朝鮮の中の主導権争いの最終段階なんです。
この時に最後に甲山(カクサン)派という (略) グループと金日成グループ
(パルチザングループ)の最後の死闘がある。

国内の反金日成派を「事大主義」として排除するため

その過程で金日成を神格化するという事が
  (略)

革命の血統

族譜

*.「革命の血統」と「族譜」についてのコメントは割愛しました。

(内藤陽介)
主体(チェチェ)というのは、外交というところから来ている。
結局、今の北朝鮮のこれも繰り返しになりますが、

金正恩政権の基本的な立場

①金王朝の国体護持と(将来的な)中国からの自立

(内藤陽介)
その為に、アメリカを引きずり込んだ。
これが、本来の意味の主体(チェチェ)ということですよ。
 南北統一は望まない。 
むしろ、韓国というのは、フロント企業として別の組織としてあって
自由に使えれば、むしろ・・

(かしわもち)
コントロールさえ出来れば良いんだ。

(内藤陽介)
コントロールしたら別効果になる。

②米中等距離外交を推進するためにも核兵器は絶対に手放さない

(内藤陽介)
アメリカを引きずり出すために核が必要だと。その意味では核兵器は絶対に
手ばさない。
逆によく言うと、北朝鮮が核を持ったら、日本も核武装という言い方をする人が
多いんですけど、北朝鮮の視点に立つ時、因果関係が逆です。
 日本に核を置いてもいいから、俺たちにも核を持たせろ なんです。

(かしわもち)
構いませんと。

(内藤陽介)
いいですよ、在韓米軍があってもいい。日本に核があってもいい。
だから、俺たちにも置かせろなんですよ。

結局それにのってきたのは、北朝鮮が非核化・核を放棄しないということを
さんざん騙されてきて、アメリカだって馬鹿じゃないからわかっている訳です。
だとしたら、核をもった北朝鮮をどういう風に有効に使おうかと考えるのが
当たり前で、それがICBMで自分の所に飛んでくるとか、イランに核を
密輸しているとかそういう事はダメだけれど、そうじゃない限り核を持った
 北朝鮮を最大限活用する かという事で、対中包囲網のピースとして使おうと
いうことです。

(かしわもち)
なるほど。

③みずから米国の対中包囲網のピースになることで、”自立”の道を模索

(内藤陽介)
逆に言うと、北朝鮮が自らピースになります、それが自立の道を模索するという事。

(かしわもち)
多分、一般の人ってワシントンとかニューヨークにしか向いてないんじゃないかなと
思うんですけど、実は北京に向けられるんだよ。

(内藤陽介)
そういう事です。

(かしわもち)
北京の方がよっぽど近いじゃんて事を見落としちゃうことですね。

(内藤陽介)
それと最後に一つだけ追加しておくと、
北京に対してというのは、実は北京というのは今だに朝貢外交の発想で
やっているところがある。
朝貢外交というのは中国の皇帝が周りの国に朝貢をさせるという
あのシステムというのは、いくつか弱点があるんですけど、一つ非常に
大きな弱点とは何かと。

これ、褒め殺しをやられるとアウトなんですよ。
それがわかっているから、金正恩が何をやるかというと、中国と関係が
悪いから中国に行って、中国に行った後、わあーわあーと騒ぐ訳です。

今まで言ってきたことと大きく外れる事は言っていないんだけれど、
「アメリカの帝国主義のクソやろう」みたいに言ってもそれは今までにも
言ったことだから。
中国に行った後にそれを言うという事になると、アメリカも中国を叩きやすい。
中国に変なことを吹き込まれて北朝鮮は言っている。
北朝鮮をスルーして中国を叩ける。

(かしわもち)
なるほど。

朝貢外交の応用として”褒め殺し”

(内藤陽介)
褒め殺しをやって、アメリカと繋がって対中包囲網のピースになります。
その役回りをしますというのが、北朝鮮の自立の道なんです。

(かしわもち)
なるほど。
今だに 主体(チェチェ)思想の手段を使った外交 が生き続けているという
文脈で考えましょうという。

それで考えたら今回の会談はどうだったのか?
その後にあった文在寅(ムン・ジェイン)の演説はどう考えるべきかというのは
次回お伝えしていきたいと思います。