魚のプロ、生田よしかつさんの視点　ＩＷＣ脱退は、南氷洋捕鯨撤退のスリ替え

YouTube【DHC】2019/1/22(火) 百田尚樹×生田よしかつ×居島一平【虎ノ門ニュース】
　火曜特集「魚のプロが提言！ニッポン漁業の最大の問題点」の中より

漁業の背景を知らないと、全くわからない話なので、コメントを抜粋しました。

■ 日本の捕鯨問題

（生田よしかつ）
　ＩＷＣ脱退しましたねー。ＩＷＣ脱退、あれねー、虎８なんかを見ている方たちは、海外に
　良く物を言って脱退したと、わぁーと言っているじゃない。

　あれねー、実は、・・・　鯨の話は長くなるけれどイイかなー。

　鯨の南氷洋捕鯨というのは、大赤字なんですよ。大赤字。

　　（略）

　大赤字なんですよ。それも何十年の前から大赤字になっていた。
　そもそも南氷洋捕鯨って何かというと、戦後のタンパク質不足の時に日本政府が頼んだら、
　マッカーサーに、南氷洋へ行って鯨を獲ってこいと言われてやりだした事なんです。

　鯨を昔から食っていたというのは、あまり当たらなくて、地域地域ではあったんですよ。
　全国的に日本人が鯨を食うようになったのは、戦後なんですよ。
　その時には、鯨しか売り物が無いから、鯨を獲りに行くと儲かった。

　　（略）

　南氷洋捕鯨というのを、今でいうマルハとか、大洋　・・・

（百田尚樹）
　マルハ、昔は大洋ホーエルズ　・・・

（生田よしかつ）
　だって、大洋クジラズだもの。ねー、やっぱり鯨で儲かったんです。あそこの会社。

　それが段々、牛肉とか豚肉が出てくるようになって鯨の需要が無くなってくるんですね。

　そうなった時にマルハもニッスイも日魯漁業もみんなもう南氷洋捕鯨をやる必要ないね。
　撤退をしたかった。

　そこで、乗りかかった船だからという事で、共同船舶という会社を三社で作るんです。
　それでも鯨というのは、採算が取れなくなった。

　採算が取れなくなって、もうこの三社も流石にここから引くわと言って引いちゃった。

　結果的にここは、国策企業になっちゃう訳ですよ。
　そこが何になったかというと三会堂と一緒で、天下り先にドンドンなっていく訳です。

　それで天下り先になって、利権を確保する為に、南氷洋捕鯨というのを守りに入った。

（百田尚樹）
　南氷洋捕鯨を続けようと。

（生田よしかつ）
　そう、南氷洋捕鯨を続けようというのが、官僚の　・・・

（百田尚樹）
　でも実際には、ビジネス的には、赤字やのに。

（生田よしかつ）
　赤字ですよ。赤字。赤字。

（百田尚樹）
　でも国策企業だから、もしかしたら税金が　・・・

（生田よしかつ）
　だから、あれですよ、東日本大震災の復興予算が、一部流れていたんですから。

（居島一平）
　そんなところに。

（生田よしかつ）
　そういう所に流れていた。これは、国会でも問題になった。

　それで、そこから今もう50年経っている。50年経っていよいよ南氷洋へ行く船の
　日新丸と勇新丸の２隻あるんだけれど　・・・

（百田尚樹）
　２隻しかない訳ね。

（生田よしかつ）
　そう、２隻しかないけれど、それが老朽化の極みになっている。50年も経っているから。

　これの新造船を造ろうといったら、500億以上かかる。合わせて、2隻造るといったら、
　1,000億かかる。

　そうしたら流石に天下り先でも、1,000億円の予算は付けられない。と言っていよいよ
　南氷洋捕鯨から撤退をしようと。

　だけれども今まで、シーシェパードを育てちゃうし、グリーンピースも育てちゃう訳ですよ。
　日本が結果、育てたんだから。

　南氷洋捕鯨は、正しいんだと日本は言い続けていた。だから、引けなくなっちゃった。

　そこで出てきたのが、ＩＷＣ脱退なんです。

　そこで、ＩＷＣを脱退すれば、国民の目は、みんなそちらへ行く。良くやった。良くやった。

　それで、結果的に南氷洋捕鯨から撤退する。シメシメです。国内だけでやる。

　だから数年したら、多分、ＩＷＣにまた戻ります。また戻って、今度は、ＥＥＺ内の捕鯨と
　いうものを世界的に認められた産業にして行くという事になると思います。

　だからもう、計り知れない税金が、そこに流れていたんですよ。

（百田尚樹）
　知らんかった。

（居島一平）
　そんな背景があったなんてね。

（生田よしかつ）
　だから、完全なスリ替えですよ。上手いことやりやがったなという感じです。