夕刊フジ zakzak 【有本香の以毒制毒】
「皆の前で『友達捨てる』って言いなさい」 大阪「高槻方式」の恐るべき教育を振り返る
18日早朝、大阪府北部を襲った最大震度6弱の地震で、同府高槻市立寿栄小学校4年の女児1人を含む
5人が亡くなった。犠牲になられた方々、ご遺族の皆様に衷心よりお悔やみを申し上げたい。
寿栄小学校のブロック塀倒壊については、大阪府警が業務上過失致死容疑で捜査している。21日には、
3年前の15年秋、学校側が、外部の防災専門家からブロック塀の危険性が指摘されていたことを市教育
委員会が公表した。
ただし、その市教委も学校から報告を受けながら、建築士の資格のない職員による調査で「安全」と判断
していた。
当然、保護者から不満の声が上がった。さらに、先週行われた緊急調査では、高槻市内の59の小中学校の
うち15もの学校で、建築基準法の基準を満たしていないブロック塀が確認される残念な続報がもたらされた。
このブロック塀の件と関係なかろうとは思うのだが、たまさか今週私は、高槻の学校教育についての奇異な
歴史に接した。
1970年~90年代に実施されていた「高槻方式」と呼ばれる、進路指導について知ったのである。
先週木曜(6月21日)、私がレギュラー出演しているインターネット番組「真相深入り! 虎ノ門
ニュース」に、タレントのつるの剛士さんがゲスト出演してくれた。
つるのさんは今月上梓した著書『バカだけど日本のこと考えてみました』(ベスト新書)の中で、80年
代に小学生として過ごした高槻市の教育実態を記しており、この件を番組でも披露した。
国旗掲揚、国歌斉唱廃止、「皆平等」ということで運動会ではみんな一緒にゴールする…。これらも私には
奇異だが、高槻に限った「方式」ではない。同様のことが日本各地で行われていた。
その証拠に、番組生放送中、全世界に住む視聴者の方々から、「自分も音楽の教科書の『君が代』のページに
紙が貼られていた(隠されていた)」などのメールが多数寄せられた。
しかし、「高槻方式」と呼ばれた進学指導については、全国の他地域から「うちも」とのメールはなかった。
その特異な「方式」とは、公立校の教師が、主に勉強のできる子の私立学校進学を断念させ、近所の公立
学校への進学を強要する指導だ。
高槻を含む大阪の一部地域と、和歌山で行われていたこの進路指導は、「地域の学校間の学力格差をなくす」
ことを目的とされており、「地元集中」とも呼ばれていた。
他県では、同じ目的で厳格な学区制が採られたりしたが、高槻方式はそれらとは異次元の醜悪なものだった。
成績優秀な子の家に教師が出向き、「私立に行くな」と説得した。「どうしても私立に行くなら皆の前で
『友達捨てる』って言いなさい」とか、「内申書を書かない」と迫る。
まるでカルト宗教か、共産主義国家かという恐ろしさ。当時、この地域の特殊な教育を嫌って、他へ引っ
越す人も少なくなかったという。
手法のひどさもさることながら、高槻方式の異様さは、それを日本教職員組合(日教組)のみならず、教育
委員会も推進していたとされる点にある。 この体質を、現在の高槻市教委のブロック塀への対応、姿勢に、
つい重ねて見てしまうのは私だけではなかろう。
高槻といえば、地元代議士は立憲民主党の辻元清美国対委員長だ。通常国会閉会後、時間ができたらぜひ、
辻元さんにも地元・高槻の教育実態についてご意見を伺いたいものである。
※ 90年頃だったと思うが、再開した時に友人の勤務する某会社の社宅が高槻市にあり、子供の教育に高槻市は
良くないと言っていたと記憶しているが、その理由を聞いていなかった。
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